reiko-mom-arch’s blog

子育て、フィリピンの生活、旅行、デザイン、建築、作品などをつづります。

フィリピンでお産③

日曜午前0時、手術室にベッドごと移動される。陣痛2分未満おきの波がきていて、心に全く余裕がない。手術室で麻酔科医を紹介される。漫画スラムダンクのゴリのような、ガタイのいい若い兄さん。膝をかかえて背中曲げて、管を入れるよと言われるけど、陣痛が痛すぎて身体が曲がらない。陣痛の合間になんとか曲げて、ゴリ先生がチューブを入れる。麻酔の効き具合のテストとして、ベッド下から背中に冷たい空気があたる。背中の上か下かを答えるのだが、その空気が冷たくて寒い。しばらくすると、陣痛の痛みが半減される。…手術室の空気がゆーっくりしてきたような…。

私の横にいたナースが私のお腹をさすりながら「are you OK?」と聞くんで、「yes」と答えると…なんと舟を漕ぎだしました!ん?おーい、瞳閉じていませんか!?

手術室を見回すと、ナースが5、6人もいて、ケータイを片手に室内をブラブラしている。どうもドクターを待っているらしい。旦那さんはドクターが来たら呼ぶねと。

背中が開いた手術着を着ているから、足が冷たく、寒い。ナースに告げると、「麻酔がきいているからね〜」と応えるけど、そのナース自身は毛布をグルグルに巻いて防寒している。

麻酔だけじゃないよね、手術室が寒いんでしょ!私はペロペロの手術着一枚なのよ。毛布をかしてほしい…。

ドクターが到着すると、椅子に座ってダラけていたナースが全員起立!居眠りナースも、私のお腹を触り始める。ナースたち、中学生か!先生の前でだけ真面目な良い子を演じてない!?ドクターの入室で、一瞬で手術室が緊迫した空間になりました。

 

子宮口にドクターが手を入れて赤ん坊の頭を出口に導く。「1回目、力んで!」の合図で、すぽっと出口に頭がはまった感触あり。あれ?旦那が来てないじゃない。旦那を呼んでと頼み、しばらく休憩。急いで旦那が入室。2度目の力み再開!ピューっと出血と同時に赤ちゃんが飛び出してきた!午前2時45分、元気な産声をあげてベビー誕生。胃痛から約1日。

長かった〜。ドクターが医療面でフォローしてくれたことに大感謝。分娩中に居眠りしたナース、毛布巻き巻きナース、ゴリ先生、強烈なキャラのフィリピン スタッフ達のこと、きっと忘れないと思う。

人生史上最大級に痛かったことも、フィリピン ならではのハプニングも、過ぎてしまえば良い思い出。フィリピン で3人目出産も、いいものとなりました。

フィリピンでお産②

土曜日午前1時、下痢3回。吐き気もある。これは…陣痛ではない、胃からの痛み。午前8時に計画分娩で入院することになっているから、とりあえず痛みに耐える。

 

主人とメイドさんに上の子2人を託し、午前8時に産婦人科に入る。が、相変わらずの胃痛で、ベッドに横たわる余裕なく、トイレに直行。少し落ち着き、ベッドとNSTモニターのある、2畳ほどの部屋で点滴開始。モニター上は5分間隔で70〜90の陣痛の波がきているようだが、胃が痛すぎて陣痛を感じない。痛み止めください…。ドクターとブスコパンの到着を首を長くして待つ。

上の子たちも10時くらいに病院にきてくれた。私は朝・昼食べないまま、胃痛が治ると同時に陣痛も遠のく。昼過ぎて陣痛間隔が空いてしまった。「今日は産まれないよ」とお腹の子が言っているような気がしたので、上の子たちには帰ってもらう。

点滴しているにもかかわらず、子宮口は3センチから進まず。膣剤を投与。お腹が痛くないとナースに告げると、15時に昼ごはんが届く。

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塩サバに似た少し脂の乗った魚と、キュウリの酢の物、卵スープ。フィリピン特有、紙に包まれたパサパサごはん。水を飲みたいとお願いしたところ、不要とのこと。なぜなら、点滴の中身がただの水分補給用だったから!陣痛促進剤じゃなかったんだ!!!

 

18時に夕飯が届く。ガーリックバター味の野菜炒めと鶏肉、フルーツサラダ。軽く食べ終えると、来た!陣痛促進剤!これが怖い…。

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19時、内診グリグリされたあと、陣痛促進剤点滴スタート。初っ端から1分おきの陣痛がくる。そこそこ痛い…30分経過後、冷や汗が出てきた。助産師やナースは時々様子を見にくるだけで、日本のようには付き添わない。上の子の時の助産師さんの顔を思い出しながら、ひとり、ラマーズ法深呼吸で痛みを逃す。

ナースとドクターが様子をみて点滴のスピードを抑えるものの、それでも陣痛は2分おき。しかも痛みがどんどん増す。「いつまで陣痛促進剤打つの?」と聞くと「産まれるまでね」。今夜中に産む計画で進めますよ、とドクターが言うので、メイドさんに今夜泊まって上の子たちを見てもらい、主人を病院に呼ぶ。内診グリグリもあって、子宮口が5センチに。午前0時、もはや深呼吸では耐えきれないほどの痛みで、身体が震えだす。胎児が下に降りてこないらしい。ドクターの見立てでは朝6時になるかもしれないとのこと。6時間も痛みに耐えきれない!今までにないほど辛い!上の子たちのお産よりも全然痛い!3人目だから、お産が楽だと思っていたのもあり、自然分娩を希望していた。しかし…ナースコール。麻酔ください!

痛みに負けました。

 

フィリピンでお産①

いつ出る?いつ?

出た!

 

3人目の出産が一番不安で、痛くて、苦しくて、でも笑える出来事になりました。

 

毎回の検診時、NSTモニターで陣痛の波がきていたから、担当医からは早産かもねと言われていました。

いつでも入院できるようにAdmission Order(※1)とBirth Plan(※2)を予定日の3週間前から用意していました。

(※1)Admission Order…主治医が妊娠経過について書いた病院宛の手紙

(※2)Birth Plan…妊婦が希望のお産について書いた手紙

今日かな、今日かなとワクワク(?)ヒヤヒヤしながら待つこと数週間。子宮口は1〜2センチ。主治医から予定日経過したら入院して誘発分娩とのこと。お腹の子が3000g超えそうな上に、羊水が多めとのことで、予定日に入院グッズを持参して受診しました。NSTとエコーの結果、主治医からは…

「今日は赤ちゃん出てくる気がなさそうね。羊水も正常値内になったから、2日後に入院にしましょう。」

まさかの帰宅指示。

 

おーい、出てきてよー。陣痛、カモン!破水、カモン!

はー、赤ちゃんの顔からやる気ないとの判断。

ちーん。

先生、よくわかりましたね。

 

赤ちゃんは一生、私のお腹から出てこないんじゃないか…。

もしかしたら、エイリアンのように、母体を食いばしみながら肥大化した胎児が、母体のお腹を突き破る…。現実にはありえないんだけど、おそろしい妄想しながら、予定日2日超過しての入院を待つのでした。

 

海外生活、持っててよかった本

出産予定日が近づき、日々肩身が狭くなります。まだ産まれないの?すみません💦まだです💧ぐすん。

粘結栓も出た。お腹が10分間隔で張るから、そろそろ生まれるかもしれない。

お腹が大きいし、見た目には今すぐ出てきそうな雰囲気。

32週の検診時に、すでに陣痛がきていたから、切迫早産の疑いで自宅安静していた。そのときばかりは「どうか出てこないで」と祈っていた。37週になるとDrから「明日かもね、入院用の書類渡すから、あとはLet it go!よ」と言われたのに。

かれこれ38週5日経過。

さくっと、出てこないんだなー。

毎日、幼稚園の見送り、30分以上のウォーキングに自宅マタニティヨガ、スクワットと、少しの家事して動いてるのになー。(掃除・洗濯はメイドさんにお願いした方がきれいなので、プロに任せています。)

 

さて、本題。海外生活、持っててよかった本。

慣れない場所で病院にかかりました。そこで出される薬、100%信じて飲めますか?アレルギー持っていたり、幼児や妊娠中の場合でも、大丈夫かな?と心配になりませんか?心配のあまり医師に「あなたの処方は完璧ですか?」なんて聞けますか?患者としては、ドクターX大門先生のお言葉「わたし、失敗しないので」が欲しいっ。

そんなときに助けてくれる本、「今日の治療薬」

今日の治療薬2019: 解説と便覧

今日の治療薬2019: 解説と便覧

 

 陣痛を抑える薬isoxupurineを処方された時、この本で調べて効用・量・副作用を理解した上で、飲みました。海外の医薬品でも載っていたりします。前記の薬飲んだ直後は心臓がドキドキし体が熱くなる感じがします。念のため医師にも尋ねると、「副作用でなるけど、大丈夫」とのこと。副作用についてまったく知らずに飲んでいたら、「気持ち悪くなったのは薬のせい?それとも胎内で何かが起きてるのでは!?」とハラハラするし、Drを信用できなかったかも。

 

私の母は疑ぐり深い性格の医師でした。ほかの科の医師が薬を処方すると、必ず「今日の〜」を引いてました。量や副作用、その他によりよい薬がないものか再確認してから、私に飲ませてました。医師も人だから、見落としがある。たまに間違った処方もあったそうです。

薬ひとつとっても、併用する薬との相性があるから、なんでもいいってわけにいかない。いつも使っている塗り薬も、子供が怪我・病気や炎症や肌荒れしている場合、躊躇します。頼れる主治医が近くにいれば安心ですが、慣れない場所ではすぐに病院に行けなかったり、医師を信頼できなかったりする。そんなとき、この本を持ってると安心です。

フィリピン 英語

フィリピン では、男性を呼びかける時、sirの代わりにboss、missはmomになります。上司じゃないんだけど、ふつーにExcuse me, boss!と言います。この人、私より年上じゃん、っておばさんからもHi,mom.とマーム呼ばれます。

カジュアルレストランやスーパーのお姉さんは、ateアテ、ガードマンなどのお兄さんはkuyaクヤと呼びます。気軽な時は、なぜかタガログ語。お店を出るときの「ありがとうございましたー!」はThank you po!サンキューポー。

語尾にポーがつきます。ポーと言えば、ジャイアント馬場さん。フィリピン 現地でリアルにポー言われると、可愛らしくて笑みが出ます。

 

そして、日本人の名前は間違えられます。Yokoyamaヨコヤマ は 50%の確率で、Yokohamaヨコハマ になります。Yokoyama Tire横浜タイヤと間違えられます。

そして今日も病院の書類上、私の名前が違ってました。

 

補足

スタバで注文時に名前を聞かれたら、氏名をマジメに答えず、超カンタンな名前をいいましょう。私はReiだけにしてます。

3人目でもフライング陣痛in Manila

昨日、陣痛がきました。子供達が幼稚園から帰ってきた午後3時半からキッチリ15分間隔の痛みあり。1時間経つと痛みが強くなり、間隔も10分ほどに。

病院と担当医、医師秘書さんに連絡したら、すぐに来てとのこと。いつも以上に冷静な判断ができていた自分が怖い。パパに連絡して、今後のことを伝え、メイドさんに夜まで子供達の対応やタイムスケジュールを話す。メイドさんの晩御飯や休憩の心配する余裕がある。でも陣痛はどんどん痛くなる。

自分の動画を撮って❤️というねえねの要求にも答えてビデオを撮りつつ、粛々と病院に行く準備をしてました。

「陣痛中って、心の余裕あるかしら?これはフライングでは?」自問自答しつつ、お腹の子に何かあったら大変だから兎にも角にも病院に向かいました。

 

産婦人科は3階。1階エレベーター前で、インド人家族らしき7人ほどの団体に出くわす。賑やかな集団は話に夢中すぎたようで、エレベーター内で私のお腹に当たったり足を踏んだりしたんだけど、気にしてない様子。それでもイライラしない私がいる。(リアル陣痛中はもっと感情的になるはず…)とフライングの疑問がまたもや頭をよぎる。彼らの行き先はなんと産婦人科!待合席の半分がインド人ご一行になりました。インドの赤ちゃんが生まれたら、みんなでスポーツの優勝杯のようにお祝いして、盛り上がるんだろうなー。カルチャーギャップを感じました。

 

そんなインド人を尻目に、私はモニタリング室に通される。午後6時、NSTノンストレステストで陣痛を測ると、5分おきに80-90の陣痛の波が来ていました。痛みは話したり歩けたりできる程度。看護師さんが内診すると、子宮口がまだ2センチ。するとドクターから驚きの指示が出ました!

晩御飯食べに2、3時間出かけておいで。

マジで?陣痛きてる中、日本ではこんな指示ないですよねー。

家に帰っていい?とおそるおそる聞くと、いいよーって。

で、家に帰って、ごはん食べて、子供達に「アンパンマン」「ぐりとぐら」の絵本を読み聞かせてから、午後9時過ぎ病院に帰ると、陣痛が遠のいてしまいました💦今夜赤ちゃんと会えるーと楽しみにしてたのに、がっかり。

 

3人目でも、本陣痛を見極めるのは難しい…。経産婦といえども、連日、妊婦さんブログや知恵袋で分娩ストーリーを検索してしまいます。痛みはなんとなく覚えてるのに、1人目も2人目も分娩状況が違ったので、さまざまなケースを想定中。

1人目は1週間遅れ。計画分娩で陣痛促進剤を3日間打ち続けても出てこず。帝王切開にしましょう、の医師の申し出を断り、1週間後の早朝に自然破水。8時間ほどで自然に産まれました。

2人目は予定日の前日、検診で内診ぐりぐりされたら、夜中に陣痛。しかし陣痛中に強烈な眠気が来て痛みを吹き飛ばす。ぱたりと寝てしまい、睡眠4時間後、予定日早朝に陣痛再開で起きる。胎児がなかなか降りて来ないまま3時間経過。医師がちょっと刺激したら、破水と同時に子供が流れ出てきました。

さてさて3人目はどうなることやら。ドキドキです。

妊娠・子育て中におススメ映画〜マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー

 

妊娠・子育て中に前向きになれる映画を紹介します。

 

 

マンマ・ミーア!」のその後。映画は母の過去と娘の現在、2つの時代を描いています。

ギリシャの島でホテルを経営する母ドナ。彼女の亡き後、娘ソフィと建築家である父たちがホテルを大改修してオープニングパーティの準備をしていた。しかし準備中に嵐に襲われ、パーティどころではなくなってしまう。弱気になるソフィだが、周囲の人に励まされて、立ち直っていき、最後はdancing queen!

 

もうひとつの物語は、若き日のドナ。3人の男性と恋に落ちながら旅をし、ギリシャの島に辿り着き、そこでプチホテルを開く夢を抱く。イギリス・オックスフォード大学を卒業したドナは、自由なひとり旅に出る。持ち前の明るさと大好きな歌とダンスで周りの人をハッピーにさせる。

ドナは島と建築家と知り合って、ぼろ家を見つける。そこにホテルを作ろうと思うのだが、建築家と失恋してしまう。失恋後にドナは妊娠に気付くが、シングルマザーになる決意とホテルをつくる夢へと奔走するのだった。

 

若きドナのストーリー編に感動しました。

子供ができたら仕事や夢を諦めるんだね、と決めつける人もいるかもしれませんが、まったく逆のこともあるのです。(※妊娠中の環境、精神・健康状態などで個人差はあるかと思いますが)妊娠中は、出産までのタイムリミットがあるから、そしてお腹にこどもがいるから、2人だからこそ、夢に一歩でも早く近づこうと力が湧いてきます。

私の場合は、1人目妊娠中に前職で初物件を担当し、出産予定日1ヶ月前に一級建築士学科試験があり、出産日1週間後に旦那は単身地方赴任、私は赤ちゃんと実家にお引越し。産後に試験受けるのは厳しいから、産休入って必死で試験勉強して、合格しました。試験勉強と並行して、実家のリフォームをしました。実家は30年近く経っており、赤ちゃんが住むには不便なところがいくつかあったので、初めてフリーで設計して、工務店さんに色々教わりながら改修して、と楽しかったです✨

 

ソフィの婚約者が「(お母さんは周囲に支えてくれる人がいない中、)1人で不安だったろうね」と言う。「ううん、不安じゃなかったと思う。だって私が(おなかに)いたから」
前作では、メリル・ストリープが「私1人でずっとやってきたんだから〜」と窓や床の修理を1人DIYするシーンがありました。大変そうなドナの姿を目の当たりにした娘や元恋人たちが協力し、ホテルがより良いものになっていきます。

 

ソフィのように、協力してくれる人が近くにいる環境は、最高にうらやましいです。妊娠・子育て中に、家族・仲間が近くにいて手伝ってくれたら、と思うことが多々あります。私は母が早くに亡くなり、気軽に子守りをお願いできる人は近くにいません。自分が倒れたら…と想像すると心細いけれど、やるしかないから!

ドナのように1人でやっていくのは大変で、ワンオペでやってると甘え下手になりますが、助けがあれば「鬼に金棒」、できることが増えます!一方、ソフィのように甘えられる環境にいれば、大いに甘えていいと思います♬ 優先席、ファミリーサポート、保育園・幼稚園無償化etc…妊娠・子育てへの協力者・支援制度が増えるのはありがたいです。国全体、全世界、どんどんと手を差し伸べていただきたいです。

話が膨らみすぎました…妊娠中や子育てで疲れた時、弱気な時に、活力が出てくる映画です✨
前作「マン・マミーア!」では、母ドナ役のメリル・ストリープの歌が最高に美しく、ベッドの上で開脚大ジャンプするなど大胆なダンスを披露。メリルも最高ですが、今回の若きドナ役、リリー・ジェームズが天使!自由奔放なドナ、美しくて力強くて、歌も踊りもすごくいいです。映画の余韻でabbaの曲を聞くだけでも、元気になります。