reiko-mom-arch’s blog

子育て、フィリピンの生活、旅行、デザイン、建築、作品などをつづります。

美しすぎる墓地

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妊娠中に散歩がてら、マニラ・アメリカン記念墓地に行ってきました。

 

BGCの高層ビルを背景に、幾何学的なランドスケープ が広がっています。入口から太い軸線を通し、左右対称に緑の緩やかな丘陵と白い十字架が無限にあるかのように広がります。中までぐるりと車で入れて、中央に緑地帯、左右に並木道、そして墓地が並びます。

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グーグルマップでみると、BGCのSM AURA裏に巨大な緑地が広がり、全てが第二次世界大戦のメモリアル墓地です。大きさは62ha、東京ドーム13個分の広さです。求心型のランドスケープデザイン で、中央に円状の広場、それを囲んで記念碑的な建物、その外側に車道が円形状に走ります。航空写真で見ると、単に幾何学的なだけにみえるのですが、実際に行くと、おそろしいほど美しい景色です。


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均等に広がった十字架は、まるで白服を着た軍人が生きて、そこで手を広げて隊列訓練をしているかのように見えます。なだらかに凹凸のある丘。等高線状に変色している芝生。空に枝と葉をパーっと広げた木々。

 

記念碑のある中心部は、中央に円状の広場を囲んで記念碑的な建物と礼拝堂がドーナツ状にあります。列柱の建築物が囲んで求心性を強くするデザインは、バチカンのサン・ピエトロ広場に通じるものがあります。中央にはフィリピンと星条旗の国旗と巨大なマホガニーの木が立っています。
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列柱らしきものは、放射状に置かれた、門型の大理石の壁です。入ってすぐの玄関的なスペース。空が円に切り取られ、異空間に入った気持ちになります。自然光のスポットライトに当てられて、身体が清められたような感覚でした。ここも厳かな気持ちでいること、おしゃべりしてはならないと諭されたかのような不思議な感覚です。
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壁にはアルファベット順に兵士の名前・住所。

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全ての壁と壁の間には石のベンチが置かれています。つるんと下表面の白い大理石壁とは対照的に、黒い玉石の凹凸の床。列壁で間仕切られた空間のなかで、壁と風景と対峙する。美しい空間と空・緑の広がりのなかで今と過去と向き合う。その時のスケッチ↓

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窓が見当たらない礼拝堂。
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中は小さな祈りの空間で、花束を持って立つマリア様。青い貝殻?モザイクタイル。そして左右に縦一列に敷かれた花ブロックのスリットからの灯りだけで、驚くほどに明るい。

 

アメリカン墓地、美しすぎます。BGCに来たら絶対に立ち寄った方がいい、おススメです。ただし神聖な場なので、団体でワイワイしたり、観光地に行く感覚では行ってはいけません。

配送はバリックバヤンがベスト

日本からフィリピンに送る配送方法で、今のところベストなのが船便・バリックバヤンボックス。http://balikbayanbox.jp/index.html

今回初めて使ったのですが、1ヶ月でちゃんと自宅に届いた!中身もそんなにかき回されてなかった。

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一番大きなサイズで、73x55x63cmがマニラ市内は9500円。日本での集荷は日時指定できて、佐川急便がダンボール手配と集荷をしてくれて、約1ヶ月でフィリピンの自宅まで届きます。感激!姉が送ってくれた荷物。ダンボールが十分に大きくて、余ったスペースにはトイレットペーパーを詰めてもらいました。フィリピンのトイレットペーパーは水に溶けません。キッチンペーパーの紙と同材質でしっかりしすぎ。フィリピンでは使用済ペーパーはゴミ箱にポイ。だから日本のトイレットペーパーは超貴重。う○こを拭くときだけに使います。

 

配送法について。企業間ではクロネコヤマトが確実です。個人間では急ぎはDHLがいいらしいです。高いらしくてまだ使ってません。日本のamazon primeで注文すると、最短3日でDHLが自宅まで届けてくれます。

 

なぜ「自宅まで届く」を書くかというと…郵便で送ったものは自宅に届かないから!最悪、みつからないから!フィリピンに限っていえば、EMSや国際eパックはおすすめできません。主人の会社にはちゃんと届くらしいのですが、自宅には届かない。追跡サービスでたどるとフィリピンについたよってオンライン上で出ます。しかし、フィリピン国内に着いた途端、音信が途絶えます。一般的にはフィリピン国内に届いたら通知書が自宅に届き、通知書を持って空港近くの郵便局まで取りに行くらしいのですが、私の荷物は通知書すら来なかった!日本の送り主から3日間でフィリピン国内に入ったそうなのですが、1ヶ月間待てど待てども荷物も通知書も来ない。送り主から「送ったよ」とメールもらったから荷物に気付いたんだけど、郵便局からは何も連絡来ず。結局、追跡サービスの配達番号をメモして空港の郵便局まで取りに行きました。

手紙もしかり。年賀状は2月の旧正月に届きました。ハガキなのに1ヶ月半もかかった!住まいは首都だよ!田舎じゃないのに、why?

郵便物が出てくるのはまだマシ。友人が送ったというクリスマスカードは出てきませんでした。もしかしたら、他にも送られた郵便物があったのかもしれませんが、連絡もなしに紛失されては存在すらわからない!郵送については、会社に宛てる方が届きやすいようです。

 

バリックバヤンは荷物を紛失せずに届けてくれて大感謝です!!!日本では配送荷物がなくなるなんてそうそうないけど、フィリピンに住むと、日本で当たり前とされていることが実はスゴイことなんだなっと思います。

ダンボールで建物つくり

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姉が船便で日本のものをLサイズダンボール箱に詰めて送ってくれました。いい素材が手に入ったと喜ぶ、ねえね。子供たちから基地が欲しいとの依頼を受けて、私ひさびさに設計作業しました。わたしが図面を描いてたら、子供達はどんなのになるの♪とワクワクしてて可愛かった。昨夜子供達を寝かしつけた後に、旦那の施工協力を得て完成させました。今朝、完成品を見てお施主様からの感想「基地にはオープンすぎるね。カフェにしましょう」。ごもっともです。

 

設計にあたり目指したのは、無駄な端材を出さず、なるべくカット数も少なく、それでいて大きめで壊れにくく、シュッとしたデザイン。せっかくなので、色んな角度からの写真を載せます。※宛名などを白点・白線で写真修正しています。

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コーナー窓と、飛び出したカウンターがポイントです。室内を明るくするために、屋根は三角形の頂点をカットしたデザインとし、天窓にしました。屋根を台形にすることで、小屋の野暮ったさが軽減してると思われます。ダンボール側面に貼ってあった領収書入れのビニール袋も残しときました。天井を見上げた写真↓

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室内から窓を見た景色↓

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元のダンボールの大きさ↓バリックバヤンの一番大きい、Lサイズです。バリックバヤンについては後ほど。

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この大きさのダンボール1箱で、5歳児が遊べるくらいの大きさの建物ができちゃいました☆製作者側はできに満足。綺麗なダンボールと時間があれば、もっといいのができたと思う。でも、子供が遊んで壊すには十分。さぁ、遊んでくれ!

 

 

 

参考までに作り方。

大きなポイントは2つ。1つ目、数字を揃えること。ドア部開口の大きさとカウンターサイズを同じにしています。開口幅や三角屋根の斜線をダンボールの耳の長さと同じにしました。またドアや窓の配置や上端部のラインを揃えると、空間がまとまります。2つ目、建物全体をしっかりさせること。そのためにはコーナーを留めること。コーナー窓のサイズは安定するギリギリの大きさをとり、コーナー窓から飛び出したカウンターの支えはしっかりめにつくります。

より詳細を知りたい方は設計メモをご解読ください↓

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脱☆アットホーム・マム計画

タイトルは「アットホーム・ダッド」、15年前に阿部寛さん・篠原涼子さんが出てたドラマから。家事育児は女がやるものだと決めつけていたパパが、主夫することになって家事育児に奮闘する物語。2000年代は私の姉が子育てしていた時代で、当時は仕事も家事育児も担う「イクメン」も珍しかった。今では、保育園の運動会や送迎にパパが来るのが当たり前。来ないと、「あれ?〇〇くんのパパはなんで来ないの?」と言われるくらい、パパも育児やってます。仕事行くパパがママチャリに子供を乗せてる姿、カッコいいです。家庭があるのに家事育児やらずに仕事ばかりしてる人って、1つのことしかできない人で、むしろカッコ悪い。

 

仕事を辞めて駐在妻・専業主婦2年目に突入しました。こっちに来た時には働く気満々だったのですが、駐在妻の労働ビザ取得が難しかったり、幼稚園が9時15時と短めで、育児で忙しかったり、なかなか働きに出れません。ポーッと過ごしてるとアッと言う間に3年くらい経ちそうなので、常に「脱☆アットホーム・マム計画」、家を守る主婦から、家事育児だけでなく外に出て仕事しよう計画。社会復帰のためにあれこれ実行してます。

 

・図面トレース

建築図面の本買って、とりあえず建具や詳細図、間取りのトレース。写経に近いものがあるけど、頭が建築モードになれていい。

 

・旅

妊娠発覚と同時に、安定期から妊娠後期にかけて隔週でフィリピン国内旅行しました。少しずつブログでアップしてきます〜。

 

・ブログ

考えて文章書く練習と、何かしら自分にタスクを与えるため。たまにお絵描きして手の訓練。

 

・日本の保活

本当はフィリピンでの再就職をしたいところ。でも縛りがあるから、来年度ねえねの小学校入学に合わせてマムと子供3人と日本に帰ることも検討中。

 

乳幼児3人世話しながらやれることは限られてるけど、立ち止まらずにコツコツやっていこうと思います☆

フォスター が フィリピンに 建てる〜!

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世界の大建築家、ノーマン・フォスター(英国)の建築物がフィリピンにできるそうです!他のアジア国ではふーん 程度かもしれませんが、フィリピンではすごいこと!フィリピンは外国人デザイナーに厳しい国らしくて、海外設計事務所が設計した建物はかなりレアだそうです。フィリピン人パートナーと事務所を立ち上げて現地法人化するとか、地元の設計事務所もしくはゼネコンとJVするとか、基本的にはフィリピン人の建築家でないと審査が厳しいらしいそうです。

 

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場所はマカティの端、BGCにかなり近い。アヤラ通りを走ると、フォスターのかっこいい工事用看板が目立ちます。建物は、SMDCというフィリピンの大手開発業者が手がけるレジデンスのようです。フィリピンならではの気候を分析してデザインされたものなのだとか。フォスター事務所ならではの、エコロジカルシステムなデザインだそうです。各住戸は柱がなく、二重スラブを採用しており、オーナーの好きな間取りを作れる。参照ウェブサイト→https://smdc.com/smdc-news-events/architecture-norman-foster-design-future

 

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BGCからみえるマカティの街並み。まだフォスター事務所のポートフォリオには発表されていない。着工は2020年、まだまだ先じゃん!ここにどんなデザインのスカイスクレーパーができるのか、楽しみです。

ほんとうに、つよい子

夕方の出来事。梅雨時期に晴れたマニラにて。ねえねとナオがスベリ台で遊びたいと外に出ました。スベリ台の上には外国人の男の子、7,8歳の2人組がいて、うちの子が階段を上ると、手をパーにして突き返そうとする。英語で「ここは俺らの場所だ」みたいなことを言ってきたので、ねえねは英語で「貸して、シェアしましょう」と言い返す。ナオが滑ろうとすると、彼らはスベリ台を登ってきたり、なにかと妨害する。

ねえねもナオも最初はふつうに言い返していたけれど、彼らがあまりにしつこいので、目くじら立てて「no! don't touch!」と怒る。すると彼らの妨害はエスカレート。ベロベロバ〜っしながらうちの子を追いかけ回し、ファイティングポーズ。7歳くらいの男の子の前で、3歳のナオは果敢にも「アンパンチ!」と叫びながら右左右パンチを連発!彼らにはあっさりとかわされてしまう。

彼らがヨーヨーみたいなのを投げつけようとしたので、暴力はダメと私が口で止めた。でも彼らは一歩も引かない。近くにお母さんらしき人がいたけど、彼女たちは知らんぷり。

うちの子たちは泣いたら負け、逃げるのも嫌だ、と闘い続けようとするが…3歳&5歳女子vs7,8歳男子。怪我されたくないので子供たちを家に連れて帰りました。

 

家の玄関について開口一番に、「ゆるせない!あそこはみんなの場所よ!ねえね、つよくなってやる!」「だいっきらい!ナオはおっきくなって、つよくなる!」子供たちは悔しくてたまらず、思いっきり足をあげて床ドシドシ踏む。

パパが帰ってきて、一緒にシャワーを浴びて冷静になった子供たち。夕食の席で、パパに今日あったことを話しました。

「ねえねはね、第1ステップとして英語で優しめに口で伝えたんだけど、相手が全然ゆずっててくれなくて、怒って言ったの!それでもわかってくれなかった。あの子たちはビッグベイビーだよ!体が大きいだけ、心は赤ちゃんなのよ。

わたし、決めた!空手やって強くなる!ごはん食べておっきくなる!」両手をクロスしてポーズをとると、お茶わんのごはんをかけこむ。「でね、日本語教えて、日本語で『ごめんなさい』言わせるんだから!」

 

子供たちは暴力振るわずにスベリ台を使える方法も考えていました。ケーキをスベリ台の下に置いて、彼らが気を取られている間に、ねえねたちが滑りまくる、とか。いろんなアイディアを練っていました。

 

子供たち、いつのまにこんなに強くなったんだろう。ついこの間まで、おもちゃ貸して〜とママに泣きついてきていたのに。わたしが何より感動したことは、意地悪されたことを悲しんだり相手を恨むのではなくて、「どうしたらスベリ台を使えるようになるのか。どうやって間違った相手を説きふせれるのか」を第一に考えたこと。不屈の精神。相手に勝つためには、自分たちが成長するんだという心意気。あなたたち、ほんとうにつよい子だ!ねえねの論理的思考にも感心しました。問題発生→作戦練る→考えがベストなものか再考する→行動する。素晴らしい!

「空手を習い始めるわ!」というねえねとナオのために、母は空手教室の体験レッスンを予約しました。みんなで空手教室に行ってきます☆次会うときには、アンパンチだけでなく色んなパンチをおみまいするぜ。

嬉しい日本のお土産

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主人の友人から日本のお土産。出産祝いも、と沢山いただきました。私のリクエスト、ユーハイムのバームクーヘンと崎陽軒のシュウマイ!ひよこ饅頭とスープカレー。どれもマニラでは手に入らないものに、感動しました。

マニラには日本のお店が多く出店しており、ラーメン店は多いし、お菓子屋では辻利や東京チーズファクトリー、Royceはモールにあります。そのほかに、たい焼き屋や和菓子屋もあるんですが…バームクーヘンのお店がどこにもない!元スペイン植民地だけあって、エッグタルトやチーズケーキ、ほかにはアイスクリームのお店は見かけるのですが、ドイツ菓子屋さんがない。ユーハイムのバームクーヘンは、ここマニラでは宝石をいただくよりも、私にとってはずーっとありがたいです☆

いつかマニラにも、ユーハイムのようなドイツ菓子屋さんがきてほしい。