フィリピン で訪れるべき場所(2)〜Pinto art museum in Antipolo
フィリピン だけど地中海の白い村に迷い込んだかのような幻想的空間。フィリピン 現代絵画の美術館。
Antipolo アンティポロ、マニラから車で1時間ほどの丘の上で、場所はtahanan bistro近くです。
6つの棟に、絵画や彫刻などの作品が展示されています。
映画「マンマミーア」の舞台に訪れたかのような、白い楽園!
ここで結婚式や誕生会ができたら、笑ってはしゃげそう。歌や踊りが流れてきて、ハッピーになりそうな場所です。
純白の建物、青い空、緑色の木々。地形に沿って階段やテラス、広場が建物と一体に建っています。原色の自然と真っ白の建物、色は対比しているけれど、地形に沿って造られた建造物は自然と一体になっています。
壁は白漆喰、テラス床はレンガや石タイル、室内床は土間コンクリート、ギャラリーの屋根は鉄骨梁+金属折板もしくは木造梁に羽目板、外部柱や垣根に石割張り。近代建築ほど抽象的になっていない。
建物に囲まれた敷地内には、屋外劇場、ベッドやテーブルなど家具の置かれたスクエアな広場、大きな池、庭。ヨーロッパのミニチュア都市のようです。
現代美術はピカソのゲルニカを彷彿させる、ダークめやシュールなものが多いですが、ダントツ建築空間の陽気さが勝ってます⭐️癒されたい時に訪れるべき美術館です。
フィリピン の住宅地風景
マニラから1、2時間、サンタローサ のパン屋さんに友人と車で行った時に、裏道を通って狭い住宅地の細道を行きました。そこで発見した、フィリピン の住宅地風景。家はコンクリートブロック作りの平屋が多いようです。
見えてくるのは洗濯物のランウェイです!
庭やテラスがないからかな?店の軒先にたーくさん吊り下げてます。電柱のようなポールにも、外れそうな雨樋にもハンガーをかけまくり。
フェンスの金網にキレイにディスプレーされた洗濯物たち。
井戸のあるお家がいくつかありました。家には駐車場と庭らしきスペースもあるのに、日当たりと風通しが良いところを求めて干しているようです。
普段は駐在員が多く住むコンドミニアムに住んでいるので、フィリピン で生活している実感はないです。住宅地風景から見えてくる、ここでの生活スタイル。裏道を垣間見て、私もフィリピン で生活していると感じました☆
フィリピンで訪れるべき場所(1)〜Tahanan Bistro in Antipolo(4)
家具編
椅子
体のラインに合わせた形状で、パッと見てクラシカル・レトロな雰囲気ですが、よくよくみるとあまり見たことがないデザインです。ルーバーを多用した繊細な表情だけど、木の重量感と重心低めのどっしりとした印象。
写真がないので、彫刻家Beni Reyes氏のホームページhttp://benjireyes.comより引用
彼の作品紹介によると、家具の部位ごとに木材を使い分けているようです。
SILYA NI EENAの椅子
座面はIpil イピールという、対腐朽性のあるフィリピン産。脚はMolaveモラビ、現在伐採禁止とも噂されている、貴重な木材なのだとか。背もたれにはEbony コクタンの化粧材を使用。
太ももの曲線に合わせて面にカーブを入れた座面です。
肘掛もウェスト周りに沿わせており、背もたれも含めて、しっかり体をサポートしてくれそう。私が座ったところ、心地いいけど、男性の体だとフィットするのかなという印象でした。無垢材なので、あたたかみと重量感・安定感があります。
机も造形的です。
マンカラというおはじきゲームご存知ですか?実はフィリピンのボードゲームなんです!上の写真がそのマンカラ用ボード。
1枚のボードに上下2段に10〜20個のお皿状の穴がくりぬいてあり、両端に大きなお皿があります。そこにおはじきまたはビー玉を数個入れて、ルールに基づいて、2人でどちらの陣地が早くおはじきを両端に入れられるか競う、知能ゲームでして、子供の日本の保育園で教えてもらいました。
家具を通じて、フィリピンの文化・土地特性によるデザインと素材を堪能しました。家具・空間・美食、すべてがよかったです。
フィリピンで訪れるべき場所(1)〜Tahanan Bistro in Antipolo(3)
料理編
レストランは土日だけで、満席 で要予約です。
お料理はフィリピン料理を西洋風に仕立てたフージョン系。フィリピンの割には油少なめ、味付けはさっぱりめで、上品な美味しさです。コース料理のみで、ランチで1人2500円程。日本人感覚としては美味しい割に安い。
一皿一皿はフレンチのように芸術的な盛り付けと程よい量なのですが、前菜からデザートまで全部食べるとお腹いっぱいになるので、ご注意。3種類のコースから選べます。
全コースを頼んでシェアしました。食べることに集中して、少ししか撮ってなかった。
イカスミピザ。
揚げ出し豆腐の奥深い味のタレ。
エビ料理だったかな?
キンピラサラダみたいなサクサク食感のサラダ。ノリ揚げなのかな?黒いせんべいもサクサク。
豚巻き揚げだったかな?
ウベ(紫芋)のケーキにアイス。さくさくチュロスのマンゴやチョコレートソースかけはすっごく美味しかった。バナナクレープにキャラメルソースかけも◎
見た目のセンスが良くて、味も美味しいコース料理で、もう一度食べたいです。
フィリピンで訪れるべき場所(1)〜Tahanan Bistro in Antipolo(2)
レストラン紹介の続き、建物編。
門扉をくぐると、ガラス天井で覆われた細長い玄関通路に入ります。光と青空、白い壁と木造空間、目の前には眺めの良い庭園。奥には広大な景観を見渡せる大開口のレストラン。楽園に踏み込んだかのような心地になります。
ここは靴を脱いであがるお店。オーナー、土足禁止にして大正解です!お客は、足からは木のぬくもりを、目からは大きな窓の外にパノラミックに広がる景色を味わえます。靴を脱ぐという行為は、お寺や料亭・旅館に入る前の儀礼をするように、これから特別な空間に入るんだという気持ちになって興奮が増します。ここは床もきれいに掃除されてるので、ぜひ素足で味わってください☆
内部は小屋裏表しに、アシで編込まれた高い天井。軒の出が深く、緑と川に囲まれた庭、風通しの良い開放的な大空間で、クーラーがなくても過ごせます。
敷地内は林と小川が流れ、日本庭園のように美しい庭が広がっています。建物は3棟が雁行して配置され、棟間を短い渡廊下、温室のようにガラス天井と大開口の窓に囲まれた細長い通路でつながっています。渡廊下からは坪庭のような小さな池庭があり、鯉が悠々と泳いでいます。
レストランルームに続いて、2つ目の棟は、キッチンと広いテラス席。私たち家族はパーゴラの下で食事しました。建物の3つの棟が微妙にずらして配置されていることで、次の棟に移るたびに新たな部屋空間と景観が広がる仕組みになっています。奥へ奥へと移動する楽しさがあります。
3つ目の棟は展示ルーム。家具やアートが展示してありました。
フィリピン人家具職人兼彫刻家であったBenji Reyes氏の元自邸。ここは彼のアトリエだったのでしょうか?先ほどの2棟と比較すると光も開口も控え目。
水色の壁紙や青と黄色の欄間が可愛らしい。自然の庭と一体となった建築空間といい、窓や欄間など、和を感じさせる要素が多くて、落ち着きます。
この建物、細部にいたるまでデザイン密度が濃いんです!
上のは、床の端部断面を撮ってます。床スラブの薄さ、繊細さに驚きました!
通常、床組は梁・根太などの枠組みした上に大判の床下地板を敷き、その上に仕上げとしてフローリングを張っていきます。一般的な木造住宅では、床板が2枚以上重なっているんですが、ここはなんと無垢板材1枚そのものを梁に載せています!
階段の降り口なんですが、手スリをみてください。板塀でみかけたような、曲面うねうね。手摺子(手摺バーを支持する脚)は、造形的。まるでキリンの首から下を模ったような有機的なデザインです。柱面の凹凸は、自然によって、表面をえぐられたり丸く削られたかのよう。私は同じ大きさ・形に統一されたカクカクした角材も好きですが、素朴な形に触れるとホッとします。柱一本にしても、それぞれ本来の木そのものであるかのように表情が異なり、手仕事による情熱が伝わります。
扉。マリリンモンローの曲線美のように美しいカーブを描いた板を組み合わせ、引き手が扉面と一体となっています。引き手部は一枚の板を削り出したのかな?黒の鋲どめが可愛らしいです。
日本木造建築様式のデザインが見受けられます。
https://www.nytimes.com/2013/04/19/greathomesanddestinations/19iht-rephil19.html
ニューヨークタイムズに住宅紹介の記事が載ってました。
この住宅は、198年から5年間かけて、Reyes氏が独学で建築を学び、設計し、自らの手で作り上げたものだそうで、敷地面積約7000平米、床面積500平米。
建材は、解体された建物や廃業された倉庫のストックなどから再利用できる木材を、彼が30年間かけてかき集めたものだそうです。たとえば、天井の小屋裏トラス組は、古い橋に使用されたトラスそのもので、木材はYakalというフィリピン産マホガニー。キッチンカウンターは枕木の再利用。家具や他の場所には、世界で伐採禁止されている希少な木材を集めて作っているそうです。家具編で一部紹介します。
再生できる素材を彼自身の手で加工して、たった5年で完成させたと言うのだから、うーーん、すごすぎる。
壁、ドア、床、階段、すべての木には1本も金釘を打たずに組み立てた、唯一使った釘は屋根瓦を留めるだけだとか。
ディテールが多すぎて、書ききれません!そして全ては見きれませんでした!
もう一度じっくりと味わいに、訪れたいです。
フィリピンで訪れるべき場所(1)〜Tahanan Bistro in Antipolo(1)
Tahanan Bistro
私がフィリピンのなかで1番最高だと思う場所です。ここに巡り会えた時、心からフィリピンに来てよかったと思えた、特別美味な空間です。
Antipolo アンティポロ、マニラから車で1時間ほどに位置する、家具職人であり彫刻家でもあるBenji Reyes氏の元自邸。現在は娘さんと息子産が経営・料理するレストランです。
家具・彫刻への情熱と繊細さ、センス、すべてをそのまま住宅作品という巨大な家具に創り上げた、とても居心地よく、楽園のように美しい空間です。
アンティポロの市内中心部。フィリピンでよく見かける街並みです。大通り沿いには平屋か2、3階建のコンクリートブロックやトタンの建物がひしめき合うように建ち並ぶ。ケータイやファストフード店の看板が、デカデカ建物にベタッと貼られてた店や家。道路には車のほか、ジプニーという派手な乗合いタクシーバスや、トライシクルというサイドカー付きのバイクタクシーが排気ガスをあげながら走っていきます。
中心部から丘の方に上がると、地形に合わせて曲がりくねった道沿いに樹々に囲まれた住宅街が見えてきます。
上に行くほど、一軒あたりの敷地が大きくなり、道からは木や柵で敷地内の様子が見えない…。
こちらがレストラン!入口!?
看板もメニューも出ていなくて、門も閉まったまま。レストランなの?場所あってるの?どうやって入るの?ホントわかりません!
中低が道沿いに植えられ、曲面板張り塀が続いています。この板はウッドデッキ用木材のように硬そうなのですが、板の面がうねうねと曲げられ、リズムありそうでランダムな目隠し張り…板塀だけでもこだわりが強い!門の脇には、ドラム缶のようにどでかい円柱の塊がどーんと置かれ、板張りのドアには鋳鉄製の太陽くん(?)のむすっとしたお顔。ドア前に吊り下げられた鎖を引くと、中から人が出てきました!名前と予約した旨を告げると、ニコッとして通してくれました。ここに入れるまでめっちゃドキドキしました。
ソファ選び
フィリピンのわが家、リビングの床はタイル。
日本だと、フローリングや畳で床に寝っ転がるのが気持ちいいのですが、こっちだとソファの上での生活になるなあと思い、ソファにこだわりました。
私が選んだのは、こちら↓
Philuxというフィリピンの家具ブランド。
創業約40年で、現地材料を家具職人が手作業で加工しており、高品質の割に安価です。マニラ市内ではパワープラントモールやシャングリラホテル内にショールームがあります。
ソファのデザインは、無駄な装飾がなくシンプルで、肘掛が片方だけあるアシンメトリー。厚みのある座面に、無垢材の台座に肘掛・背もたれはデスクカウンターのように細長くL字に浮いています。
台座の脚柱はずんぐりしているけれど、目立たないように座面より内側に配置しているので、垂直方向の支持材の存在感を弱めています。背もたれや座面の水平要素を強調したデザインが気に入りました。
とっても優秀です✨木のフレームはマホガニーに塗装。座面マット部は厚みも弾力もしっかりしており、継ぎ目なく、ウール生地で寝転がったときに心地よいです。クッションもマットも、カバーをチャックでとりはずして洗濯◎
ベッド価格は7万円ほどです。
背もたれ・肘掛の天板はフラットで奥行18cmもあるから、落とすことなくタブレットやお茶を置けます。
デザインディテールが素晴らしい!私、すっかり惚れ込みました。
木製フレームとマットを一体化する工夫が隠されてます。マットとフレームの干渉部は、写真のような切れ込みをいれてます。マットと木製土台はしっかりとマジックテープで固定してあるからずれません。
肘掛フレームを横から見ると、クッションに接する側面が少し傾斜しています。この角度が絶妙で、座ったときの背中あたりがよく、頭をクッションにもたれかけた時にもso good!
こども達の昼寝用ふとん兼あそび場としても活躍しております。寝心地もいいから、子供が2時間以上寝てしまいます。
お気に入りのソファのある生活、幸せを感じます♪