reiko-mom-arch’s blog

子育て、フィリピンの生活、旅行、デザイン、建築、作品などをつづります。

Why Japanese People 働く⁉︎ 「仕事」と「締切り」を見直そう

タイトルは厚切りジェイソンさんをリスペクトして。

昨日、ベビーのビザ関連手続きにイミグレーションオフィスへと、主人の会社のローカルスタッフとドライバーさんと行ってきました。「日本人は働きすぎだよね。」と私が話を振ると、「マム、よくぞ言ってくれました」と言わんばかりの反応が帰ってきました。「5時になったら、仕事はおしまい!さあ家族の時間だ、オフィスから出なさいよ!ワーク&ライフバランスが大事だよ」

全く、わたしも同意見です。(フィリピン人の中には、「仕事はおしまいにするけど、成果が出てない」なんて人もいるそうですが、仕事時間内に成果「も」出しましょう。)私が先日、日本人会診療所にいったときのこと。受付が16時までなんですが、私の順番が16時5分前。後ろの人は居ない。私の診察が終わって、私がロビーで会計を待っていたら、「じゃ!」って看護師さんが足早に帰って行きました!ほかの診察室に先生が残っているんですが!それくらい、就業時間はいさぎよい。

ベルギーのスーパーマーケットは、閉店8時だとすると、次のお客さんのレジをやったら8時過ぎると思ったら、レジに後ろの人が並んでいても、レジのおばちゃんが「Fermer!(=Close 閉店ガラガラ、おしまい!)」とレジ封鎖してしまいます。ベルギーの建築事務所でインターンしてた時は、私が残って仕事してたら、冗談交えながら怒られました。そのときは夏で、夜8時まで明るかったので、「家帰って、お日様の光を浴びながらBBQや読書して家族や友達とリラックスしなきゃ!終わってないんだったら、自分で終わる工夫をしなよ」と言われました。終わる工夫とは、「効率を上げて仕事する、もしくは締切りを伸ばすように相手方に交渉する」

 

フィリピンではお願い事をすると、イライラするほど待たされることが多々あります。LAZADA(amazonのようなオンラインショッピングサイト)で注文すると、国内発送で3日後到着予定って書いてあるけど、1週間経っても来ない。「フィリピンはまったくもう!」と思いながら待っています。オーダーする方は、はじめから時間通りではないと見越して予定を組みます。ビザ申請も2ヶ月で降りるよ、と言われたら、半年を覚悟します。フィリピンでは仕事でも約束期日を勝手に伸ばされます。日本人は約束期日の「締切り」をちゃんと守るのにね。

 

さて、そもそも英語で「締切り」を表す言葉はいくつかありますが、大きくは2つ、“due date”と“dead line”。”due date”は出産予定日、到着日や支払い期限などにも使われます。「due=すべき」守るべき期日だけど、猶予がありそう。一方、”deadline”は直訳「死線」。アメリ南北戦争で捕虜が「その線を超えたら殺す」と脅された境界線。私は大学時代、建築デザイン授業の作品提出日が時間まで指定されていまして、助手さんから「deadlineに1分でも遅れたら受付印押さないからね!deadlineは死んでも守りな!」と脅されてました。

日本人が仕事上でいう「締切り」はdeadlineを指すことが多いですね。死んでも守らなければいけない、と思って、残業しまくっている気がします。残業の際に自問自答していただきたいのですが、そもそも家族を捨てでも守らねばならない「締切り」って、そんなに沢山ありますか?その締切りは期日調整可能なdue dateだったりしませんか?

 

「仕事」となると、お客さん、同僚、協力関係者に迷惑をかけてしまうから約束期日(=「締切り」)までに終わらせないといけない!それはそうですが、「仕事」ってなんでしょう?

 

そもそも生物は、自己防衛と子孫繁栄を目的に生きています。食べ物を取りに行き、食べ、パートナーや仲間と群れて、目の前に立ちはだかる敵や自然からは自分と家族・仲間を守ろうとします。敵から自分と仲間を守る方法として、巣(家)を作って、その中でみんなで眠り、外に出かけて食物を取りに行くようになりました。しかし、災害が起きて食物が手に入らず死ぬかもしれないし、敵に襲われるかもしれない。自分たちを守りきれないことがでてきました。群集で行動して助け合うことで、死ぬリスクが軽減できる。

そこで人間は集まって村を作りました。そして群を守るために「仕事」をつくることにしました。農作物をつくる、動物や魚を捕まえる、料理をする、家を守る、そういう行為を分化して、みんなで手分けすることにしました。次第に生活が豊かになって、食べ物を作りすぎたら代わりに何かをもらう、交換するようになりました。それがモノであったり、治療やマッサージのようなサービスであったり、お金であったり。文明のはじまりです。次に敵や災害が起きても乗り越えられるように、「仕事」をしてお金を貯めるようになりました。

「仕事」ができると、今度は仲間から「ありがとう」と言われ、尊敬の念が生まれます。人から信頼され認められると、もっと頑張ろうと思い、向上しようと思います。

文明のあるところでは、「仕事」とは「自分と家族・仲間を守る」ことと、「人のためになる、人から認められる」ことを目的としています。より強固に仲間たちを守るために、より仕事をして、自らを高めることができて、より守ることができます。

 

しかし「仕事」をしすぎると「自分たちを守る」ことと「人のために〜」のバランスが崩れていきます。家族を大切にしすぎても、「人のために〜」がおろそかになって社会に貢献できません。「自らを高めること」を怠ってもいけません。バランスが大事。

 

化学の実験で、試薬の重さを天秤で計るの、得意ですか?わたしは苦手でした。片方に重りを載せて、片方にサジで少しずつ量を調整しながら、平行になるようにする。時間がかかりますが、いつかはバランスとって量り取れます。同じように、仕事と家庭も、バランスを取ろうとおもってサジで調整すれば取れるはずです。日本文化がそうだから、と決めつけないで。文「化」というのだから、化学と同じく、外からの力によって変化できます。日本の働きすぎ文化も変われます。やればできる、nothing is impossible、直訳は不可能はない。

 

仕事が終わらない〜と思っていたら、ぜひ「仕事」と「締切り」を考え直してください。「仕事」とは、一人では守りきれないから生まれた行為。もしも終えれないのなら、もう一度手分けして協力すればいいじゃない。それを認めてくれないとしたら、仕事を与える側(上司)もしくは職場が問題だと思います。わたしは会社員時代、下っ端だと思い込んでいて、上司に物申しにくかったです。会社を離れてフリーランスになって思うことは、「仕事ではだれが上か下かは関係ない。会社とは仕事を成し遂げることを目的とする集まり」だと思えるようになりました。仕事が終わらないのは、上が「人をみる」仕事を怠っているのと、下が「わかりやすいヘルプサインを出してない」からです。もしうまく回らないのだとしたら、その集団、会社が自分にあっていないのかも。大事なのは、「自分と家族・仲間を守る」ことと「人の役に立てる」、さらに自らを高めて、より家族・仲間を守りながら、人のためにできることだと思います。理想が高いといえば高いけど、バランス感が一番大事!だって、私たちは生きるために生まれた生物なのだから。自己防衛と子孫繁栄の目的があって、文明がある時代と場所に生きているからこそある「仕事」です。

さあ、目の前にある「締切り」、due dateになりませんか?もうちょっと待ってね、と言えそうですか?早くお家に帰りませんか?